キリロム工科大の日本法人の設立記念パーティーに行ってきました
まあ、普通の人は知らないと思うのですよ。「キリロム」って。
一言で言うと「カンボジア版の軽井沢のような高原リゾートと教育施設を作る都市開発プロジェクト」と言いますか、リアル版シムシティをやるような壮大なプロジェクトなのです。
これを進めているのは、猪塚さんという方で、私が以前に勤務していた「デジタルフォレスト」という会社の創業者でした。当時はアクセス解析ツールの戦国時代でSiteCatelystなどの大手の海外勢もあり、PCブラウザから携帯電話、スマートフォンなどのデバイスも増え、しのぎを削る開発競争が行われていましたが、その後、Google Analyticsの上陸により市場が崩壊。会社ごとNTTコミュニケーションズに売却されたという経緯がありました。
その後、猪塚さんは海外に「Googleが参入してこない」ビジネスドメインを探し、キリロムに出会ったとの事でした。
当初はリゾート開発だけだったのですが、その後、学園都市化を進め、エンジニア不足問題を解消すべく「キリロム工科大」への投資を進めます。
驚くべきは学費・生活費は全て無料という事で、その代わりに就学中にも開発プロジェクトへの参画、さらに卒業後、スポンサー企業に一定の期間、勤務することを要求されます。
平均的なカンボジア人の月収が日本円で数万円という水準ですので、この条件は非常に魅力的のようで、入学試験の倍率は20倍を超えるようになったとの事です。
日本側に法人格が無いと、報道の機会も少なく、株式上場など資金調達に伴う日本での活動に大幅な制約が出るとの事でした。常々「僕は日本のためにも頑張っているのに、とても冷たい扱いしか受けなくてツライ」とおっしゃっていたので、今回の東京事業所の設立は非常に小規模ではあるものの、日本での展開にはずみがつくきっかけになるといいなあと思います。